「数方庭祭(すほうていさい)」は、毎年8月7日から8月13日の間、長府忌宮(いみのみや)神社の境内で行われる夏祭りです。
2本の竹をつなぎ合わせて作られた大幟(おおや)を担ぐ男達の勇壮な「幟舞い」と、「切篭(きりこ)」と呼ばれる燈篭を付けた七夕飾りを持つ女達の上品で美しい行列が、境内の鬼石と呼ばれる石を周る珍しい祭りです。
忌宮神社数方庭祭の由来
下関市長府に1800年続く「数方庭祭(すほうていさい)」は、真夏の7日間、4つのグループに分かれて連夜、長さ20~30メートル、重さ100キロに及ぶ「大幟(おおや)」と呼ばれる「巨竹」担ぎます。
竹を担いで境内の「鬼石」と呼ばれる石を廻る、一見、単調な祭りに見えますが現実はそんなに甘くはありません。
粋に担ぐことができた男たちは、羨望の眼差しが向けられますが、誰にでも簡単には担げるものではありません。
転倒する人ぶつかり合う人々、「天下の奇祭」は、実は荒々しい夏祭りなのです。「誰よりも長く、太い竹を粋に担ぎたい」これが男たちの願いです。
女は、「切籠(きりこ)」と呼ばれる灯篭を付けた七夕飾りを持って、同じく「鬼石」と呼ばれる石を廻る珍しい祭りです。
第14代仲哀天皇の時代に始まったとされ、天下の奇祭として有名です。「数方庭祭」は、山口県無形民俗文化財に指定されています。
忌宮神社数方庭祭の行事内容
数方庭祭(すほうていさい)は7日間行われますが、毎日まったく同じスケジュールで進行します。
午後7時、これから祭りを始めますと神前にご報告する本殿祭(ほんでんさい)と奉仕者の皆さんの清祓い(きよはらい)が行われます。
7時半に1番太鼓が鳴らされ、それを合図に切籠(きりこ)と呼ばれる七夕に登場するような笹飾りを持った氏子の女性やお子さんたちが鬼石の周りを3周します。
切籠の数は20本ほどで、次に子どもたちが小幟(このぼり)を持って登場し、同じく鬼石の周りを3周します。小幟は竹の長さが約4メートルで、太いものになるとかなり重量があるので大人が介添えしなければならないこともあります。
小幟(このぼり)に続いて、中幟(ちゅうのぼり)、最後に大幟(おおや)が登場します。それぞれ鬼石の周りを3周するのは切籠、小幟と同じです。切籠に始まり小幟、中幟、大幟に至るまでの流れがひと晩に1番太鼓から4番太鼓まで4回繰り返されます。
忌宮神社数方庭祭の開催時期と交通アクセス
【開催時期】
毎年 8月7日~8月13日
【開催地】
忌宮神社 電話番号:083-245-1093
【交通アクセス】
◆電車
JR下関からバスで約15分 「城下町長府」バス停から徒歩で約5分
◆車
中国自動車道「下関インター」より約20分
※忌宮神社境内駐車場:普通車20台程度。大型観光バス用の駐車場もあります。
周辺にも有料の駐車場あり