長野県阿南町の和合の念仏踊りは、毎年8月13日から16日までの4日間の夜に行われます。

 

 昔の和合の人たちにとっての念仏踊りは、農作業などで忙しく働き、他に外出することのない生活の中で唯一楽しむことのできる行事でした。また、男女が知り合う場所であったという話も残っています。

 
 

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和合の念仏踊りはどんな踊り?

 

 和合(わごう)地区は長野県阿南町の中で、最も深山幽谷の趣深い場所に位置します。急傾斜地に建つ家屋や、守り継がれてきた畑などは、日本昔話の原風景に触れているような懐かしさを与えてくれます。

 

 ここを訪れた人は、これほどまでに美しい風景が残っていたのかと、感動されることでしょう。

 

 和合の開祖とされる宮下家15代、宮下金吾善衡(後の雷公五郎助)が、およそ270年前、江戸へ免訴に行った帰りに、川中島(現在の長野市)から伝えたとされています。

 

 踊りの形は遠州(静岡県西部)の大念仏とよく似ていることから、宮下家の出身地である遠州から伝えられたとも考えられます。

 

 金吾善衡は念仏踊りが行なわれる林松寺に祠堂(しどう)を寄付し、仏教への信心が篤かったといわれています。

 

 踊りはかつて昼に行なわれたときもありましたが、現在は夜に行なわれています。

 

念仏踊り-1

 

 踊りはゆったりと厳かに始まり、次第に激しさを増していきます。ヤッコが長い竹の先に付いたチガヤをぐるぐる回し、6~7人の者が太鼓を打ち、カネを鳴らし、ヒッチキをザラザラとさせながら裸足で飛び跳ねます。

 

念仏踊り-3

 

 かん高い音に、ほとばしるエネルギーが重畳され、見る者を圧倒します。太鼓もヤッコもヒッチキも笛に合わせ、踊りのスピードやテンポは笛がすべて拍子をとります。そしてその笛を奏でるのは、意外にも幼い子どもたちなのです。

 
 

念仏踊りの見どころ

 

 8月13日夜8時、念仏踊りに参加する人たちは、林松寺から熊野社へ向かいます。熊野社境内で庭入りの踊りが行われた後、本殿前で念仏、続いて和讃を唱えます。

 

 これが終わると宮下家へ向かい、宮下家の庭では庭入りと念仏の後、庭ほめの和讃を唱えます。

 

念仏踊り-2

 

 このあと一行は林松寺へ引き返して庭入りのみを行ないます。14日と15日は、林松寺で庭入り・念仏・和讃を行い、16日は、13日と同じ行程で庭入りを行い、林松寺での庭入りの後、太鼓など道具を納めると、一斉に盆踊りをはじめ、この盆踊りは夜の更けるまで続きます。

 

盆踊り

 

 和合の念仏踊りには燈籠や旗を持って先導する人や太鼓、鉦鼓(かね)、笛のほかヒッチキといって棒やささらを持って舞う役、また、ヤッコといってカヤをつけた長い竹を回しながら踊る役、花、柳といった飾り物を持つ役などがあります。

 

 燈籠や旗といった権威ある役は長老とも言える人しかできません。一方、笛や花、柳は小学生も参加します。

 

 念仏踊りの中心は庭入りでです。6~7人の者が太鼓を打ち、ひとりが鉦を鳴らしヒッチキが竹のササラをザラザラとすり合わせながら飛び跳ねます。

 

 ヤッコは長さ2メートルの竹の先についたチガヤをぐるぐるとまわします。太鼓、鉦、ササラの重なり合ったかん高い音と、裸足になって、ところ狭しと飛び跳ねる男たちの動作が重なります。

 
 

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念仏踊りの構成

 

 念仏踊は「庭入り」「念仏」「和讃」で構成されている。

 

 灯籠、旗、ヒッチキ棒、ササラ、太鼓、太鼓持ち、鉦、ヤッコ、花、柳、笛の諸役が、灯籠役の「さーよーい、そーりゃ」の掛け声を合図に行列して踊りの庭へ入ります。太鼓役と鉦役は膝が地面につくほど低い姿勢をとり、そこから大きく振りかぶるような所作で太鼓や鉦を叩き進みます。

 

 踊りの一行が輪になると、早いテンポの笛が入り、太鼓役と鉦役は踊りながら打ち鳴らし、ヒッチキ棒役とササラ役は、互いに体を激しくぶつけ合い、飛び跳ねて踊るのが「庭入り」です。

 

 続く「念仏」では、古老の唱える念仏に合わせて太鼓は静かな音を刻み、「和讃」では、太鼓役が足を揃え、膝を屈伸させながら左右に体を振りつつ音頭取りの和讃を復唱し、一節が終わる度に太鼓を打ちます。

 

 13日は熊野神社と宮下家で「庭入り」「念仏」「和讃」を行い、林松寺にて「庭入り」を踊ります。14日、15日は林松寺のみで行い、新仏の位牌を集めて新仏供養として念仏踊を踊ります。16日は再び三か所で踊りますが「庭入り」のみとなります。

 
 

念仏踊りの日程と交通アクセス

 日程:8月13日~16日

 場所:長野県阿南町和合

 

【交通アクセス】

 ◆公共交通機関:JR飯田線で温田駅下車 信南交通バスで和合まで

 ◆車:中央自動車道飯田ICより、国道256号から151号と進み、巾川付近で右折。

 
 
 

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