国の重要無形民俗文化財の相馬野馬追は、相馬氏の祖である平将門が原野に放してあった野馬を捕らえる軍事訓練と、捕らえた馬を神前に奉納したことに由来します。
相馬野馬追の起源
相馬野馬追は、相馬中村神社・相馬太田神社・相馬小高神社3つの妙見神社の祭礼として、旧相馬中村藩領で、神旗争奪戦や甲冑競馬、野馬懸などを行います。
その起源は、平将門が、関八州の武将を集めて下総国で行った軍事訓練(野馬を放して、その馬を敵に見立てての訓練)がその起源だと言われています。
下総国小金ヶ原に馬を放して繁殖させ、毎年それを追い上げ、野馬を神馬として妙見神社に奉納した神事にあり、一千有余年の歴史を誇る伝統行事です。
その軍事訓練が相馬でも行われるようになったのは、1323年に相馬重胤が小高に移住した時で、その訓練も再開したからと伝えられています。
相馬野馬追の神髄である野馬懸は、「上げ馬の神事」ともいわれ、相馬小高神社境内に設けた竹矢来の中に騎馬が裸馬を追い込み、白装束で身を固めた御小人が素手で荒駒を捕え神前に奉納する古式にそった行事です。
相馬藩始祖の平将門により始められた野馬追を古来の姿で受け継ぎ、絵馬ではなく本当の生き馬を神に捧げる古い習慣を昔ながらに残しています。
これらの神事に関しては1952年、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
相馬野馬追開催日と行事予定
相馬野馬追開催日は、毎年7月の最終土曜日・日曜日・月曜日に行われます。
※今年は7月23日(土)・7月24日(日)・7月25日(月)です。
★1日目(7月最終土曜日)
【出陣式】
出陣式は、相馬中村神社・相馬太田神社・相馬小高神社の相馬三妙見神社で執り行われ、御本陣である主会場の雲雀ヶ原祭場地(南相馬市原町区)へ出陣します。
◆場所/相馬中村神社・相馬太田神社・相馬小高神社
【総大将お迎え】正午から
北郷の陣屋では、副大将を中心に、侍大将、副軍師がそろい、軍者をはじめとする各役付武者や螺役などが整列して総大将をお迎えします。総大将訓示の後、御本陣である雲雀ヶ原祭場地に進軍します。
◆場所/南相馬市鹿島区
★2日目(7月最終日曜日)
【騎馬武者行列】(午前9時30分から)
500余騎の騎馬武者達が3Km先の御本陣である雲雀ヶ原祭場地を目指し進軍します。甲冑に身をかため、太刀を帯び、先祖伝来の旗指物を風になびかせながら威風堂々にして豪華絢爛な戦国絵巻を繰り広げます。
◆場所/南相馬市原町区 野馬追通り
【甲冑競馬】(正午から)
正午、陣螺・陣太鼓が鳴り響くと、兜を脱ぎ、白鉢巻を締めた騎馬武者が、砂埃舞う中を人馬一体となり先祖伝来の旗指物をなびかせて、勇壮果敢に疾走します。
◆場所/南相馬市原町区 雲雀ヶ原祭場地
【神旗争奪戦】(午後1時から)
午後1時、陣螺を合図に満を持していた数百騎の騎馬武者達が集結し号砲一発、舞い下りる御神旗めがけて突進する様は、正に合戦さながら。御神旗を手中に収めた騎馬武者には、その武勲を称え惜しみない拍手が送られます。
◆場所/南相馬市原町区 雲雀ヶ原祭場地
★3日目(7月最終月曜日)
【野馬懸】(午前9時から)
野馬追古来の姿を現在に残す行事で、放たれた野馬を神社境内に追い込み、白装束の御小人が素手で神馬を捕らえ神前に奉納する神事が行われます。
◆場所/南相馬市小高区 相馬小高神社
※なお、団体観覧指定席等の事前申込みは4月1日午前9時から受付けを開始いたしますので、要項に基づき必要事項をご記入のうえ手続きをお願いいたします。
相馬野馬追執行委員会(南相馬市観光交流課内)
電話 0244-22-3064・0244-24-5263
まとめ
相馬野馬追観覧は、全体的に言えることは、観覧席にじっとしていてもつまらないのではないかと思いますので、会場内をあちこち歩き回って見るのもいいかも知れません。
また、メイン行事は原町市雲雀ヶ原祭場地で行われる「神旗争奪戦」ではないかとも思います。鎧兜姿の数百騎の馬に乗った武者姿の人たちが一斉に打ち上げられた旗を取り合います。
「神旗争奪戦」の前に行われる「甲冑競馬」から見るのがおすすめです。