博多祇園山笠(はかたぎおんやまかさ)は福岡市の博多区で毎年7月1日から7月15日にかけて開催される700年以上の伝統のある祭です。
博多祇園山笠の起源
博多祇園山笠は、櫛田神社にまつられる素戔嗚尊(すさのおのみこと)に対して奉納される祇園祭のひとつで、正式には櫛田神社祇園例大祭とよばれます。国の重要無形民俗文化財でもあり、本格的な夏の訪れを告げる博多っ子のお祭りです。
博多祇園山笠は、博多どんたくとともに博多を代表する祭りです。
山笠に乗って疫病退治?
祇園例大祭の起源はいくつかの説がありますが、有力なものは1214年という説で、当時博多で疫病が大流行しました。
このとき、承天寺の開祖・聖一国師(円爾)という偉いお坊さんが、山笠の原型になる乗り物「施餓鬼棚(せがきだな)」に乗って有難いお水を撒いて疫病退散を行いました。
古い書物にもいくつか承天寺と山笠との関連性を立証する記述が見られます。
これが祇園祭と山笠へと繋がり、祭として発展したのではないかと言われています。
博多祇園山笠の見どころ
博多山笠最大の見所といえば、最終日に行われる「追い山」でしょう。山笠を担いで約5キロの道を駆け抜ける時間競争とでも言いましょうか。
櫛田神社をスタートし、東長寺・承天寺付近の細い路地を駆け抜けて、須崎町の「廻り止め」まで目指します。
重い山笠を担いでいるのに、平均タイムが30分前後というのですからかなり力の入った競争です。
追い山開始の時刻は早朝4時59分からの中途半端な時間ですが、最初に走り出す「一番山笠」が、全チームを代表して「博多祝い唄」を歌って駈け出すからです。
追い山は一番の見どころですが、何も追い山だけが見どころではなくて、集団山見せなどもありますし、それぞれの山笠がひかれるところを見て歩いてもいいのではないでしょうか。
博多祇園山笠スケジュール
7月 1日・注連(しめ)下ろし・ご神入れ・当番町お汐井(しおい)とり
7月 9日・全流お汐井とり
7月10日・流舁き
7月11日・朝山笠・他流舁き
7月12日・追い山笠ならし(午後3時59分)
7月13日・集団山見せ(午後3時30分)
7月14日・流舁き
7月15日・追い山笠(午前4時59分)
博多祇園山笠(追い山ならし・追い山)の見物場所
・山列
・山留め
・櫛田神社清道・桟敷席
・櫛田神社 清道正面
・東長寺前清道
・承天寺前清道
・御供所地区
・上東町の四つ角
・下呉服町の四つ角
・大博通り
・旧西町筋へ
・旧西町筋の狭い四つ角
・追い山ならし廻り止め
・追い山廻り止め
博多祇園山笠へのアクセス
博多山笠の開催期間中は、大規模な交通規制が敷かれます。特に12日から15日までは中心部がほぼ通行止めになるので、車でのアクセスはやめられた方がいいでしょう。
★公共交通機関でのアクセス
櫛田神社のある博多へは、飛行機もJRもともに便利です。
JRは博多駅。博多駅から櫛田神社までは徒歩で15分ほどです。飛行機の場合は、福岡空港への便を利用しましょう。福岡空港からは博多駅まで、地下鉄が直結しています。
博多駅に着いたら、後は櫛田神社まで徒歩で15分ほどです。
博多祇園山笠 締め込みの女の子
博多祇園山笠は700年以上の伝統がある祭で、神輿を担ぐときのはっぴと締め込み姿がその特徴です。
男の祭りのため女性は神輿を担げませんが、「子供山笠」というものがあり、ここに小学生の男児女児が参加でききます。
博多祇園山笠振興会のお話では、「参加は本来は小学校に上がる前の女児が望ましいが、実際には小学生女児もかなりの数が参加している。」とのことです。
祭りの関係者や祭りに参加している親が、子供にも同じ格好をさせて一緒に楽しみたいという思いがあるのだそうです。
実は、20年位前から祭りに参加している人物を撮影するのは遠慮してほしいと要望しているそうです。
「現在は許可証がなければ撮影できないことになっています。警察、教員、地域の担当者が常時見回りを行っていて、怪しい行動があれば注意し、連行というケースもあります。」とのことですから、写真を撮るのは気をつけて下さい。
あったら役立つ持ち物
雨が降っていなくてもどこからともなく勢い水を浴びてしまって全身びしょ濡れになることもよくあるので、晴れていても雨具は持っていた方が良いと思います。