土佐和紙(不織布)で作られた、重さ約1.2t、胴回り最大で1.8mもある大綱を、もろ肌脱いだ男衆を含む約500人が南北に分かれて引き合う豪快な「南北大綱引き」が目玉のお祭です。
土佐大綱まつり開催日
大綱祭りは、毎年8月の第3土曜日に、土佐市高岡町で開催されます。
このお祭りは、お昼過ぎから夜まで開催され、昼間は鳴子踊りや大綱太鼓の演奏が行われます。
夕方から夜にかけては、このお祭りの目玉である綱引きが始まります。
子どもの部と大人の部があり、それぞれで綱引きが行われるので老若男女を問わず楽しめるお祭りです。
大綱ってどれくらい大きいの?
大綱引きに用いられる綱の大きさは、長さ約100m、胴回りが約1.8m、重さが約1.2tという、とてつもなく大きな綱です。
これだけの長さと太さと重量ですから、あまりにも重くて、とうていひとりで持ち上げることなどできません。
この綱は、以前は荒縄で作られていたそうですが、減反政策の影響でしょうか、縄の原料となる藁が手に入りにくくなったことと、土佐市の産業が製紙業ということから、現在は不織布製の綱となっています。
土佐大綱まつりの起源
かつては土佐市を含む県西部で広く綱引きの行事が行われており、大綱祭りの起源にはいくつかの説があります。
そのひとつに、1654(承応3)年、土佐藩2代目藩主の山内忠義に仕えていた家老の野中兼山が、鎌田井筋(かまだゆすじ)と呼ばれる用水路の建設中に、労働者の士気を鼓舞するために始めたという説が一般的です。
また、他の説には、弘岡井筋(ひろおかゆすじ)と呼ばれる用水路を建設した際の慰労や、犠牲者供養のために行った、という説もあります。
土佐大綱まつりの昔と今
昔は、土佐市周辺の様々な地区で大綱引きが催されていました。
土佐市の北部にある野田地区では、お盆の15日の夜に鎌田井筋沿いの県道で大綱引きを行っていました。
当日の朝には各家から手結いの縄を持ち寄り、男が総がかりでそれらをつなぎ合わせて大きな綱にしました。
この綱引きでは、野田地区より上手を北軍、下手を南軍とし綱引きを行っていました。「サイサイサイ」の掛け声と共に綱を取り、「サーノーウン、サーノーウン」の掛け声で綱を引き合います。
味方が不利と見れば、観客も綱を取って自軍を助ける光景もあったそうです。周りも大団扇や小団扇をもって、綱引きを盛り上げました。
綱の中心部での取り合いは苛烈を極め、時には投げ出され、水路に落とされたこともありました。
今では、綱は土佐市商工会青年部が作り、第3土曜日に土佐市民会館前で綱引きが開催されています。
特に、祭りの終盤にさらしを巻いた500人の男衆が半数ずつに分かれて引き合う大綱引きは、熱気に包まれます。
綱引きの最中には、男衆に水打ちをするのですが、その水が蒸発して、湯気を体から立ちのばらせるほど熱気に包まれています。
また、「大綱」「祭」と書かれた大団扇を前へ、後へと動かしながら綱引きを盛り上げます。
普段は穏やかな町もこの日ばかりは、熱気と興奮に包まれます。
開催日と交通アクセス
【開催日時】
・2016年8月20日(土)15:00~21:00
【開催場所】
・土佐市市民会館・中央公民館前道路
【駐車場】
・無料:普通車約100台
【交通アクセス】
・バス「土佐市役所前」下車、徒歩約5分
・高知自動車道土佐ICから、車で約3分
【お問い合わせ】
・土佐市大綱まつり実行委員会事務局(土佐市商工会)
・電話:088(852)1261