糸魚川けんか祭りはふたつの神輿がぶつかり合う祭りです。
毎年4月10日に新潟県糸魚川の天津神社で開催されます。
ふたつの神輿は寺町区と押上区が対抗する形でぶつかり合い、100人以上の若い衆の力と力の競り合いに大きな歓声が上がります。
五穀豊穣を祈りぶつかり合うふたつの神輿
天津神社春大祭は最近では「けんか祭り」として知られていますが、この地方では昔から「十日の祭り」と呼ばれていて、この祭りを境に春がかけ足でやってくると言われています。
10日午前零時に太鼓が鳴り響き、祭りの始まりとなります。
午前4時神輿堂より出されたふたつの神輿は舞台に安置され、午前9時頃、潔めた身にハッピを羽織った、押上・寺町両区の若衆が鶏爺を先頭に一の宮へとやってきます。
そのうち、神輿は舞台を離れて、押上・寺町の白丁にかつがれ、お練りという行列を作って神苑を巡幸します。
このお練りが神苑を1回半回ると、神主と稚児はそれぞれ拝殿、舞台へ上がり、同時にふたつの神輿は猛然と走り出します。
ふたつの神輿が五穀豊穣を祈って激しくぶつかり合い、押上区が勝てば豊漁、寺町区が勝てば豊作になるといわれています。
動から静の世界へ
ふたつの神輿が、天津神社の境内を周りながら10回前後ぶつかりもみ合います。
ふたつの神輿の担ぎ手が、助走をつけたうえで激しくぶつかり合うけんか神輿の迫力は、糸魚川けんか祭りの見どころです。
最後は、双方決められた位置から走り出し、勝敗を決します。
けんか神輿がひと段落した後は、国の重要無形民俗文化財のひとつに指定されている舞楽が奉納され、境内の雰囲気は動から静の世界へと一変します。
天津神社の舞楽は、能生白山神社の舞楽と共に、大阪四天王寺の舞楽を伝承しているといわれていて、「糸魚川・能生の舞楽」として国の重要無形民俗文化財に指定されています。
天津神社の舞楽は10日、11日とも12曲が奉納されますが、11日は衣装が変わります。
交通アクセス
【電車の場合】
JR糸魚川駅アルプス口(南口)から徒歩約5分
【車の場合】
北陸自動車道糸魚川ICから車でおよそ10分
※当日は非常に混雑しますので、できるだけ公共交通機関でお越し下さい。