脚の引きつりを総称して「こむら返り」と言っていますが、本来ふくらはぎの引きつりのことを「こむら返り」と言うのだそうです。
ま、それはさておいて、「こむら返り」が起こる原因は、不慣れな運動をした後とか、カルシウムやミネラル・水分不足からおこるということです。
不慣れな運動だけでなく、運動不足からもおこるのだそうで、運動をしてないとちょっとのことでも運動量がオーバーということになるのでしょう。
それから、こむら返りがおこる時期ですが、やはり寒い時期の方がおこりやすいのだそうで、冬場の時期におこりやすいそうです。
こむら返りがおこる原因
こむら返りは、高齢者やひどく疲れたとき、あるいは不慣れな運動の後とか、妊娠の後期にも見受けられて、足の指やふくらはぎでおこります。
これらの方に共通するものとして、カルシウムやミネラル不足があげられます。
カルシウム不足になると細胞膜が不安定になり刺激に対して細胞が過敏な反応をするようになります。
その結果、神経細胞が過敏になってイライラしたり、末梢血管や手足の筋肉の細胞が断続的に収縮したりします。
血行も悪くなりますので、場合によってはしびれを伴いながら筋肉が引きつるということもあります。
筋肉の異常は、カルシウム不足を知らせる大切なサインですから、そのままにしないで吸収のよいカルシウムをしっかり補給しましょう。
こむら返りを防ぐ漢方薬
足がつる「こむら返り」は加齢による筋肉の衰えや、ミネラルバランスの乱れ、冷えなどが考えられますが、40代、50代以降から、足がつる症状は増える傾向にあり、高齢者の方のなかには、毎晩足がつって眠れないという人もいます。
これは、加齢により筋肉量の減少・脱水気味・脚の冷えが原因だと言われています。
これらをしっかりケアしながら、筋肉の急なけいれんを鎮めて痛みを抑えてくれるのが「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」という漢方薬です。
「芍薬甘草湯」は、漢方薬の代表的な痛み止めで、足がつる「こむら返り」の症状によく使われていて、「芍薬」と「甘草」のふたつの生薬から構成されています。
「芍薬」には筋肉の緊張をゆるめたり、血流を改善したりする効果があり、「甘草」には、痛みを鎮静する効果があるので、足がつることによる痛みを和らげてくれます。
芍薬甘草湯は、足がつる症状以外にも全身の筋肉、胃腸、子宮などの緊張をゆるめてくれるので、筋肉のつっぱりによる肩こりや腰痛、胃けいれんを伴う胃痛や、生理痛も、緩和することができます。
こむら返りの日常生活でできる予防
「芍薬甘草湯」は、足がつって辛いときの対処に最適ですが、日常の生活習慣が大切になってきます。
ミネラルバランスの取れた食事や水分補給を心がけましょう。筋肉の正常な働きのためには、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラル分が重要になりますので、意識して摂るよう心がけましょう。
カリウムを多く含む食品には、納豆・ほうれん草・里芋・アボカド・バナナ・キウイなどがあります。
マグネシウムを多く含む食品には、納豆・牡蠣・たくあん・ごま・アーモンドなど。
さらに、カルシウムを多く含む食品には、桜エビ・煮干し・チーズ・モロヘイヤ・ケール・ごまなどがあります。
また、水分補給も大切なのですが、トイレに起きるのが億劫だからと寝る前の水分摂取を控えている方もいるでしょう。
しかし、足がつるのを防ぐためには逆効果になります。寝る前には、コップ一杯分の水を飲む習慣を付けましょう。
睡眠中の「冷え」も足がつる原因となります。とくに、下半身を温めるにして眠るよう心がけてください。
下半身には一枚多く、タオルケットや、毛布をかけてみてください。これだけでも足がつる回数が減るはずです。
足がつることを怖がりながら生活していると、精神的にも窮屈になります。漢方や対処法を上手に活用して、足がつらない快適な毎日を取り戻しましょう。
痛みを緩和する作用を持つ「芍薬」と「甘草」が含まれた「芍薬甘草湯」は、舐めるだけでも即効性があります。
こむらがえりが起きた時も鎮静効果が期待できるので、万が一に備えて枕元に置いておくのもいいかも知れません。
ただし、甘草は血圧を上げる作用があるので、血圧が高い人は服用に注意しましょう。
これは間違い
こむら返りの予防にサロンパスが効果的だと思っている人が多いようですが、それは逆なんです。
サロンパスはこむら返りを悪化させます。なぜなら、サロンパスは筋肉を冷えさせてしまいます。
筋肉は冷えると硬くなり、筋肉の収縮や弛緩がうまく作動しなくなります。その結果、こむら返りを引き起こしやすくなってしまうんです。
冷えると、血液の流れも悪くなりさらに冷えを呼びます。こむら返りの原因のひとつに冷えがありますから、脚は冷やさないようにしなければなりません。
よって、こむら返りの予防にサロンパスを使うのは止めましょう。