壬生の花田植(みぶのはなだうえ、みぶのはなたうえ)は、広島県山県郡北広島町壬生で、毎年6月に豊作を願って行われる伝統行事です。
壬生の花田植
広島県北広島町では、幾つかの場所で花田植えが行われますが、「壬生(みぶ)」地区で行われる花田植えが最も大規模に行われます。
およそ100人という規模で行われるそうで、サンバイ・囃し方・早乙女に分かれて華やかに昔ながらの田植えを再現します。
牛が田を耕し、サンバイと呼ばれる田植えの総指揮が唄う田植唄のもとにリズムに合わせてテンポよく早乙女が稲を植えていきます。
これは五穀豊穣を願う農耕行事でありながらも、田植え作業を楽しくしようと生まれたものなだそうです。
花田植の公開は、午後1時半ごろから行われます。
午前9時からは近くの壬生神社で田植の無事と豊作を祈願する神事が行われ、神社下の境内では、当日出演する牛が勢揃いして花鞍の飾り付けなどが行われます。
近年この行事を見ようと、毎年10000人を超える観客がつめかけ、見学スペースの場所取りが大変なようです。
壬生の花田植の歴史とユネスコ世界遺産
西日本には鎌倉時代の頃より、田植えの際には音頭取りが打ち合わせるささらの拍子にあわせ、大太鼓や小太鼓、笛や手打鉦で囃し、早乙女が田植歌を歌いながら植えていくという風習がありました。
サンバイ(田の神)を祭って無病息災と豊穣を願う農耕儀礼であるとともに、重労働である田植作業を楽しくこなすための工夫でもあったのです。
江戸時代からこの地方に伝わる田植えの習俗を伝承する民俗芸能のひとつであり、絢爛豪華な刺繍を施した布をかけ、緋の首玉をまとい、金色の花鞍には幟を立て10頭を超える「飾り牛」が勢揃いして代掻きを行います。
太鼓や鉦による迫力ある囃子にあわせて早乙女が田植え唄を歌いながら早苗を植えてゆきます。
古くから伝わる形式を伝える内容、100人に迫る出演者を擁するその規模ともに高く評価され、初夏の一大田園絵巻として全国的に知られています。
※1971(昭和51)年5月 国の重要無形民俗文化財に指定
※2009(平成21)年5月 ユネスコ世界無形文化遺産候補に推薦を受ける
※2012(平成23)年11月27日 ユネスコ世界無形文化遺産に登録される
壬生の花田植開催日
花田植は、「壬生の花田植と無形文化財合同まつり」として毎年6月第1日曜日に開催しています。
【交通アクセス】
★中国自動車道千代田インターから東へ600m、県道脇の水田が会場。
道の駅や北広島町役場の駐車場が利用でき、会場までのシャトルバスが運行されます。