香川県の「あんもち雑煮」は、いりこと白味噌仕立ての汁に大根や人参などを入れ、餡入りの丸餅を入れた雑煮で香川県の郷土料理です。
「あんもち雑煮」と聞かれて、「えっ!」と思われる方もいらっしゃると思いますが、意外や意外、一度お試し下さい。
香川県では正月三が日に食べる定番料理として人気があります。
白味噌仕立ての汁に餡入りの餅が入っているという組合せは全国的にもあまり例がなく、変わり種の雑煮としてテレビなどにも取り上げられています。
香川県の雑煮あんもち雑煮
「あんもち雑煮」には餅のほかに大根と人参を入れるのが定番ですが、地域によって里芋、ごぼう、豆腐、油揚げ、花カツオや青ネギを入れる事もあります。
定番となる大根は小ぶりの雑煮大根です。人参は香川特産の金時人参を使う事が多く、大根の白と人参の赤で紅白となって正月に相応しい彩りとなります。
雑煮大根がなければ普通の大きさの青首大根をいちょう切りにしても良いのですが、大根も人参もなるべく「輪切り」にします。
大根もにんじんも輪切りにすることで、「今年一年丸く収まりますように」とか「家庭が円満に」といった願いが込められているのです。
香川県の雑煮あんもち雑煮レシピ
★材料(5人分)
丸もち(あん入り) 5個
金時にんじん(3~5cmの太さ) 80g
大根(3~5cmの太さ) 50g
白みそ 100~130g
煮干しのだし汁 5カップ(もちの量により加減する)
青のり 少々
豆 腐 1/3丁
★作り方
大根、金時にんじんは3mm位の輪切りにする。
煮干しでだしを取り、大根・にんじんを入れて煮る。
野菜が煮えたらもちを入れ、少し柔らかくなったら、白みそを汁で伸ばして入れる。
3cm角の1cmの厚さに切った豆腐を入れて一煮立ちさせる。
椀に盛り、さっとあぶった青のりをふる。
※この項「讃岐の味歳時記」より
香川県の雑煮あんもち雑煮の由来
香川県の「あんもち雑煮」は江戸時代末期から明治時代にかけて讃岐地方で生まれた郷土料理だそうです。
香川県には、讃岐三白と呼ばれる讃岐高松藩が産業振興を進めて特産品としたもので、塩、砂糖、木綿を指します。
この時代、砂糖については、全国的にも珍しい白い砂糖を生産することに成功したのです。
砂糖を作るのは農民ですが、全てお上へ納入しなければならず、自分たちで消費するということは出来ませんでした。
せめて正月くらいは甘いものが食べたい、ということで砂糖を餡に入れて餅でくるんで、更に雑煮にするといった、見た目には全くわからない分からない様に工夫したのだそうです。