気温も湿度も高い真夏に食中毒が多いと思われがちですが、実は年間で一番発生件数の多い時期は9~10月です。
その原因は、夏ばてして体力が落ち、免疫力が低下しているところに、気温の変化による体調を崩しやすいことや、秋は行楽シーズンなので野外での食事が増えることも影響しています。
秋に食中毒が意外と多い原因
食中毒の原因として最も多いのは細菌やウイルスによる感染性のもので、梅雨から夏にかけての湿度や気温による細菌の繁殖によるものが多いと思われています。
食中毒の原因菌は、温度が20度を超えると繁殖しやすくなります。
食中毒を防ぐためには、「菌をつけない」「増やさない」「やっつける」という3つのことが原則となります。
秋だからといって、気温が20度以下に下がる訳でもないので、細菌やウイルスによる感染がないとはいえません。
さらに、秋にはキノコやフグ、牡蠣などの自然毒によるものが増えてきますので注意が必要です。
秋は行楽シーズンでもあり、屋外で食事をする機会が多くなります。この時期に多い細菌が、腸管出血性大腸菌・腸炎ビブリオ菌・カンピロバクター・サルモネラ菌などです。
秋といえども日中は気温が上がるので、不十分な調理法や弁当の保管場所を誤ってしまうと菌の繁殖がおこり、食中毒の危険性は高まります。
秋は食中毒が意外と多い予防は?
基本は、梅雨時や夏に気をつける食中毒対策と同じです。
料理を外に出しっぱなしにしないで冷蔵庫に入れることや危ないかなと思ったものには必ず火を通す、調理器具や食器は清潔にしましょう。
行楽シーズンなのでお弁当を作る場合は、調理によって充分加熱し、容器に詰める時はあら熱をとりましょう。
屋外で弁当を保管する場合には、直射日光の当たらない涼しい場所に置くように心がけましょう。
キノコやフグは素人判断で、簡単に口にしないことが大切です。生牡蠣などの2枚貝は、購入時に消費期限をしっかりチェックして、新鮮なものを選びましょう。
夏バテで身体がまだ弱っていることも考えられますので、細菌やウィルスへの抵抗が落ちているかも知れません。
免疫力を高めるためには、充分な睡眠と適度な運動を心がけましょう。
秋は食中毒が意外と多い かかった時の対処法
食中毒は、原因によっても対処法が異なりますが、下痢・嘔吐・発熱・倦怠感・腹痛などの症状はほとんど同じです。
キノコ類による食中毒は、上記の症状のほかにも身体のしびれや幻覚症状も現れる場合があります。
キノコ類の食中毒は、短時間で死に至る場合もありますから、直ちに医師の診察が必要です。
一般的に食中毒の対処法は
・安静を心がける。
・下痢や嘔吐で体内の毒を排出しようとしているため、むやみに薬を飲んで下痢や吐き気を止めない。
・脱水症状にならないように、水分を少しずつ補給する(常温のスポーツドリンクや白湯など)。
・嘔吐がおさまり始めたら、おかゆ(8分がゆくらい)などから少しずつ食べる。
ということになろうかと思いますが、もし、嘔吐や下痢など症状が治まらなかったり、血便や意識障害などが認められた場合には、直ちに医師の診察を受けましょう。