雛人形の季節になりました。新たに雛人形をお買い求めになる時、飾る場所を考えて買われると思います。
豪華な7段飾りなどは、8畳くらいの部屋がなければ飾ることはできませんよね。それに比べて親王飾りならば、どこにでも飾れるのではないでしょうか。
親王飾りとは
雛人形の始まりは平安時代だそうです。宮廷にて、姫君や貴族の女性たちが、男女一対の「ひいな」にきれいな調度品を飾って遊んだことから始まりとされています。
親王飾りは、またの名を内裏雛(だいりびな)と言います。
男雛をお内裏様、女雛をお雛様と呼ぶのが一般的になっていますが、もともと内裏(だいり)とは男女対のことを指すのだそうです。
男雛と女雛のふたりだけをお飾りする飾り方を、親王飾り(しんのうかざり)と言います。
雛人形を飾る場所
雛人形を飾る場所ですが、親王飾りなどであればサイドボードの上や箪笥の上、ピアノの上など、どこに飾っても大丈夫です。
そしてその親王飾りにちょっとした工夫をすると一段と美しく飾れます。
せっかくお雛様を飾るのですから、リビングなど家族の目の届く場所に飾って、桃の節句をお祝いしてはいかがでしょうか。
ピアノの上に親王飾りを飾る場合、親王飾りの下に赤い毛氈(もうせん)等を敷いて飾る事によって、ピアノの黒と毛氈の赤とのコントラストにより、親王飾りが一層映えて、きれいに見えます。
ちょっとした工夫で、お雛さまは引き立ちますし、ピアノの上でも違和感なく飾ることが出来ます。
段飾りの場合はそうはいきませんよね。どうしても場所をとりますから、どこかあいている部屋に飾ることになります。
そういった意味では親王飾りは扱いやすいと言えるでしょうか。
男雛と女雛の位置は?
男雛と女雛はどちらが左に来るのが正しいのでしょうか。
結論から言えばどちらが左でも右でもいいということです。
もともとは、「天子南面」の言葉にのっとり、偉い人は南に向いて座り、その時に日の出の方角である東側、つまり左手側が上座とされてきました。ですから男雛が左側とされてきました。
ところが時代の変遷とともに、左よりも右の方が優れているという風潮が高まり、「左遷」と言う言葉が示すように、左は優れるという意味とは反対になりました。
「右にならう」など、右が上位であることを示す言葉も増えました。
昭和天皇が即位された時に決定的な出来事がおこりました。
国際的には、右側が上位であることから、昭和天皇即位の礼では、天皇陛下が右側に、皇后様が左側に並ばれたのです。
これをうけて、関東地方のひな人形は、それまでは左側にしていたお内裏様を右側に配するように変更したのだそうです。
ところで、伝統を重視する京都を中心に関西では、従来通りお内裏様を左にお雛様を右に飾ります。
関西では男雛を左に、関東では男雛を右に
飾るケースが一般的と言われています。