頭痛に、気温や気圧といった季節の変化で悪化するのは、緊張型頭痛と偏頭痛のふたつがあります。
低気圧によって頭蓋骨内の圧力や血圧が影響を受けることで、身体に異常が生じ、頭痛の原因が生み出されるからです。
梅雨には頭痛が悪化する
梅雨の時期に「明らかに頭痛が悪化する」という人は多いと思います。なぜなら、梅雨時に雨が多いのは低気圧によるからです。
気圧に関係する頭痛として、緊張型頭痛と偏頭痛のふたつがあるといいましたが、このうち
★緊張型頭痛は、
●頭全体や首から肩にかけて痛みの症状がでます
●鈍痛が続き、締め付けられるような感じがします
●温めると症状が楽になります
★偏頭痛は
●頭の片側か両側の特定の部分に痛みの症状がでます
●脈うつような痛みがあります
●吐き気がすることもあります
●頭痛がする前に目がチカチカすることもあります
といったような特徴があります。
低気圧が頭痛を招く
低気圧による、たまの頭痛ならある程度お薬や、温めたり冷やしたりで対処すれば乗り切れるのですが、梅雨の時期は雨の日(低気圧の日)が多くて、毎日頭痛がおきるのでたまりません。
偏頭痛と低気圧の因果関係は、完全に解明されているわけではないのですが、とにかく頭痛持ちの場合には、低気圧が来ると悪化します。
今、明らかとなっているのは、低気圧の接近は「脳の中の血管に変化をもたらす」ということです。
低気圧の日には、「頭蓋骨内の圧力や血圧に変化が起きる」ことで、頭痛が引き起こされやすくなります。
低気圧はあなたの身体にも影響が生じ、頭蓋骨内の圧力を変化させます。そうなると、脳内血管が収縮され、収縮された血管に血液を流そうとすることで周囲にある三叉神経を刺激し、頭痛が生じると考えらます。
低気圧が接近してくると心因性の偏頭痛になる
低気圧が接近してくると心因性の偏頭痛になるという人もいます。一般に偏頭痛に悩んでいる人は、男性よりも女性が多いといわれています。
その女性の中には思い込みの強い人もいるわけで、そんな人は非常に暗示にかかりやすく、極端な話、低気圧と偏頭痛が関わるという記事を見ただけで、低気圧がくると頭痛がおこるとインプットされます。
そうなると、テレビで低気圧接近の予報を見るだけで、条件反射的に偏頭痛の症状が出る人もいます。
こういった心因性の偏頭痛の人は、カウンセリングなどの心理療法を受けないと、根本的な解決にはならないといえます。
薬を使わない改善方法
低気圧の接近で偏頭痛が現れた時、市販の頭痛薬を使うことで、ほとんどのケースで痛みを解消することができます。
しかし、頻繁に頭痛薬を使いますと、慢性の偏頭痛ということになりかねません。
頭痛薬の使用頻度が、月に10日以上もあるようであれば注意が必要です。そんな事態を防ぐためにも、極力頭痛薬に頼らない頭痛の改善策をとりましょう。
血管の働きを安定させ、低気圧頭痛を予防・改善する方法には次のものがあります。
●患部を冷やす
低気圧頭痛が生じている部分は、血管が拡張して周囲にある神経を刺激しています。
そのため、患部やその周囲を冷やすことで、血管の拡張を抑え、痛みを和らげることが期待できます。
●静かで暗い部屋でじっとする
光や音などの刺激は脳の活動を活発にし、血管の拡張に繋がります。そのため、痛みがひくまでは光と音の刺激を遮断することが大切です。
●コーヒーを飲む
コーヒーには、血管収縮作用があり、低気圧の影響によって拡張した血管を抑える効果を期待できます。
●生活習慣を整える
ストレスは血管の拡張に繋がります。ですから、睡眠を充分にとったり、運動などでストレスを溜めないようにしましょう。
これらの方法を実践していくと、低気圧頭痛に対処していくことができます。低気圧の日に頭痛が起きやすいという人は、これらの対処方法が実践できるよう準備しておくといいでしょう。
また、慢性の偏頭痛や薬物を多用する頭痛の疑いがある時は、迷うことなく病院に行って診察してもらうべきです。
素人判断は禁物ですので、一般の病院に行っても、あまり症状の改善が見られないなら、多少遠方だとしても、「頭痛外来」のある病院で調べてもらいましょう。